日本一の山との縁

富士山に一瞬たりとも同じ姿はない。

四季折々、静岡・富士市の友が撮影した写真を拝見するたび、その感を強くする。

天候や時間帯によって富士は千変万化の表情を見せる。同じ条件下でも皆が同じ写真を撮れるわけではない。
人によって富士の「切り取り方」も千差万別。

そこに、カメラを通して富士と向き合う面白さがある。

日本画の巨匠・横山大観は2000点に及ぶ富士画を描いたが、どれひとつ同じ作品はない。

「富士は理想を持って描かなければならない」と語ったと言う。己の心が貧しければ富士の絵も貧しくなる。

大観は富士に"永遠に美"を見いだした。「私は、その無窮を追う」との信念で心と腕を磨き、人生の高みを目指し続けた。

人の心は縁に粉動されやすく、困難や障害に遭うなかで志を貫くことは難しい。

「晴れてよし 雲りてもよし 富士の山 もとの姿はかわらざりけり」

富士は厳然としてそこにある。

ただ時により 人によって 表れ方が違うだけなのだ。

富士のごとく堂々と、人生の風雪に揺るがぬ自己を築きたい❗✴️