無限の可能性
幼児教育や高等教育の無償化が進められている。19世紀のフランスでも、教育の無償化を訴えた政治家がいた。文豪ビクトル・ユゴーだ。
議員としても活動した彼は、貧困を根絶するには教育改革が欠かせないと主張。初等教育を義務教育にすること、初、中、高等教育を全て無償とすることなどを訴えた。
「子どもの本当の名前は何か、皆さんはご存知だろうか」ーーーちょうど150年前の1869年、ユゴーは、ある集いで大人たちに問い掛けた。「それは『未来』である。」「子どもの心に種を蒔こう。正義を与え、歓喜を与えて上げよう。子どもを育てながら、我々は『未来』を育ているのである」
子どもは「未来」。であるならば、未来から過去を振り返った時、どのような言葉を掛けられ、どう向き合ってもらえたか。試されているのは、むしろ現在の大人の側であろう。赤ん坊にさえも、人々を幸福へ導く指導者と育ちゆく、無限の可能性を見つめられた。未来を楽しみに、若き心に希望の種を。