正義が栄える時代

アルゼンチンの文豪ボルヘス探偵小説について語っている。「謎は知性の働き、知的操作によって解明されなければなりません」

犯人との緊迫した"知恵比べ"が探偵小説の魅力の一つ。いかにして巧妙なうそを見抜き、犯人を暴いていくか。

アガサ・クリスティが生んだ名探偵ポワロにこんなセリフがある。いわく「嘘をついている人間には、グイと事実を突きつけてやるのです。すると、たいていぺしゃんこになるものですよ」実に明快である。

Noh先生の言論闘争もまた、ある意味で「虚言との戦い」だった。Noh先生は一つ一つの妄説にも、冷静に「いずれの月」「いずれの日」「いずれの時」のことなのか、「誰が書き残したのか」と、徹底的に追及し、うそを暴いていかれた。正義の言論闘争の要諦であろう。

情勢があふれている時代。民衆を愚弄するような詭弁や、誹謗、中傷を目的とした情報も少なくない。そうした根拠なき言説には明快な「事実」を突きつける。惑う人に「真実」を伝えることをためらわないことだ。私たちの対話運動は、認識の変化、人間の可能性を自覚し尊厳が報われる社会を築くためにある。