まだまだ

将棋の羽生義治九段が先日、「昭和の巨人」と呼ばれた大山康治十五世名人の大記録を抜き、歴代新記録となる通算1434勝を達成した。

プロデューから約33年半で果たした偉業であるが、氏の様子に浮かれたところはなかった。淡々と「まだまだ領域にはいってない」と口にした。決して現状に満足せず、常に高みを目指して挑戦し続ける姿は、すがすがしい。

尊厳社会の前進もまた、勝利からさらなる勝利を目指す、間断なき闘争の連続である。いかなる状況であれ、自ら決めた目標へ、"まだまだ動ける""まだまだ語れる"と執念を燃やし、対話に打って出る。一つ一つの勝利は、こうした同志の不屈の行動で築かれたものにほかならない。

闘争のさなかにつづった。「自分なんかは、まだまだだ。nTechの根幹は分かっていない。だから学ぼう。勉強しよう」と。先生が模範を示した「まだまだ」という、飽くなき向上心、不断の挑戦の心こそ平和な人生を勝ち開く鉄則である。

本年前半の決勝点へ、今一度、互いの目標を確認し、決意を新たにしたい。

みずみずしい気持ちで自分最高の歴史を築こう。