気迫と執念の行動
令和最初の大相撲は、平幕の朝乃山が優勝を飾った。富山県出身の力士の優勝は、明治から大正にかけて活躍した横綱・太刀山以来、実に103年ぶりである。
朝乃山は小学生の時、太刀山の遺族の寄付によって誕生した「太刀山道場」に通った。しこ名の「山」は、「太刀山」の意味も込められている。56連勝や、幕内での確率が約9割に達するなど、太刀山は抜群の強さを誇った。
「四十五日(一月半)」ーーー 太刀山の突っ張りはそう呼ばれた。「ー突き半」で相手を 土俵の外に飛ばしたからである。相撲では「押して勝つ」ことが極意いわれる。相手がどう出てくるのかを待つのではなく、先ず自らが前に出て、攻め抜いていく。この鉄則はあらゆる勝負の世界に通じよう。
昭和31年(1956年)の「大阪の戦い」が終盤に入った6月12日、新たな一つの祈念を加えた。それは、「大阪のいかなる人であれ、このたびの戦列に加わって、味方となる」こと。この"敵をも味方に変える"気迫と執念の行動が、"まさかが実現"の勝利を開いた。
6月へ、「いよいよ・はりあげてせむべし」と、勇んで nTech で平和と幸福を開く対話に挑みたい 。