情熱の力

竜宮で玉手箱を得て、それを持ち帰る。

おとぎ話さながらのミッションが進んでいる。

主人公は浦島太郎ならぬ、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の探査機「はやぶさ2」だ。

はやぶさ2は先日小惑星リュウグウ」への着陸に成功。

この惑星には、水や有機物が存在するとされ、地球に試料を持ち帰えれば、太陽系誕生の謎を解く手掛かりになると期待される。『しつこさ』が今回の成功に結びついたと思います。と、プロジェクトエンジニアが記者会見で語っていた。

「"仮想リュウグウ"で訓練をしつこいぐらいやって」「しつこいぐらい議論して」「しつこいぐらい準備して」「直前まで、みんながいろいろな確認をした」と。

「ただ沢山の種をまいて"芽が出るまで「愛の水」を与え続けただけ。結局は自分の"諦めの心"との戦いです」。

しつこいくらい何度も壁に挑む繰り返しの中で人類は進歩してきた。

人が持つ情熱の力もまた偉大だ。 それ自体が、この世界の驚異といえるほどに。