勝負どころ

2024年のパリ五輪で100年ぶりの復活が期待される競技がある。タフなコースを駆け抜ける「クロスカントリー」だ。"陸上の格闘技"とも呼ばれ、今、世界中で人気を集めている。

先日、クロスカントリーのU20(20歳以下)日本陸上競技選手権(8キロ)で、関西高校の選手が並み居る強豪を抑え、堂々の優勝。今月末にデンマークで開催される世界大会への出場を決めた。

高低差6mの上がり坂、連続するアップダウンに急カーブ。砂地に足をとられ、強風に体を押し返される。
経験豊富な実力者でも一筋縄ではいかないコースだが、彼は初挑戦にもかかわらず、勝負どころを見逃さなかった。序盤は先頭集団を冷静に追いながら、全体のペースが落ちた中盤を狙い、ここぞとばかりに勝負に出た。
その勢いのままに後続を引き離し、最後は独走でフィニッシュ。「良いリズムに乗れた」とレースを振り返った。

人生もまた、平坦な道ばかりではない。苦難の山坂があり、激しい風雨にさらされる日もあろぅ。
だが乗り越えられ壁はない。
大事なのは、最も苦しい時こそ"勝負どころ"と腹を決め、行動を起こすことだ。
この「攻め」の姿勢から人生勝利のリズムが生まれる。
勇気の二字を胸に、栄光のゴールを駆け抜けよう。