最も手強い強敵
東京のある地区の集いで、婦人が体験発表を行った。婦人は結婚後、住んでいるマンションの自治会や地域コミュニティーの活動に参加。約15年にわたる活動からは学ぶべき知恵が多かった。
当初は近隣と絆を結ぼうと思っても、なかなか踏み出せない。そこで大切にしたのが「あいさつ」。モットーは"自分から、元気よく、さわやかに"。一人また一人と友好を築き、地域活動に貢献する姿はグループの理解にもつながった。
「最初は臆病との戦い。今は惰性との戦い」と婦人。絆をさらに強めるには、いつの間にか陥っている"惰性"を破るしかない。"今まで通り"という安易さや"あの人はこうだから"という決め付けを排し、一歩踏み込んで相手と語りあえば、新しい世界が広がる、と。
昭和31年の「大阪の戦い」の折、一部マスコミが報じた。そんな中傷を歯牙にもかけず、関西の人々は朗らかに対話を展開。逆風を追い風へと転じ、金字塔を打ち立てた。
「強敵を伏して始めて力士をしる」と。「強敵」とは、他人や環境のことだけではない。むしろ、最もてごわい強敵は「自分」。新しいことをやるには、常に自身の弱い心に打ち勝つことから始まる。